Black Knights とのプロジェクト「Medieval Chamber」(過去レビュー)を通過したこともあり、その後の4月にリリースされた本作はアブストラクトで濃厚な空気が漂っている。これまで通り叙情的なソングライティングが施され、これまで以上にプログレッシヴで前衛的な音楽が作られており、すとんと腹に落ちて理解するのにそれなりの時間が必要だ。
クラシック・ロックが持っているグルーヴ感覚を、最新機材を活用しエレクトリックミュージックの方法論で表現しようとする前人未到の境地。16音符を細分化して4つの分割点へ、更に解析してその中にある156の分割点へと足を踏み入れ、高速ドラムンベースを自由自在に変貌させる。これによりクラシック・ロックが持つ、音符と音符の行間に存在するグルーヴを生み出しているという。直感的プレイを得意とするギタリストが、音楽を構造的に追求し続けたこの結果は実に示唆に富んでいる。哲学を極めるために数学が必要なように、John は自らの音楽哲学を追求するために0と1で作られている世界へ足を踏み入れたのだ。
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