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2017年6月12日月曜日

Before the Flood (Music from the Motion Picture) : Trent Reznor and Atticus Ross, Gustavo Santaolalla & Mogwai



熱心な環境保護活動家として知られる俺たちのデカことレオナルド・ディカプリオ。そんな彼が気候変動の影響を追うドキュメンタリー映画が「地球が壊れる前に」です。製作総指揮は巨匠マーティン・スコセッシで、ナショナルジオグラフィックから配給されました。それにしてもこの邦題は何とかならないのかな。原題が「Before the Flood」だから気持ちは分かるんだけど、ボブ・ディランのライヴアルバム(『偉大なる復活』 - Before the Flood)にもかけているんじゃないの?

ここで言及したいのがサントラを手掛ける面々。「ドラゴン・タトゥーの女」や「ゴーン・ガール」、「ソーシャル・ネットワーク」といった数々のサントラを手掛けた説明不要の二人 Trent Reznor and Atticus Ross。そしてMogwai(!)とアカデミー作曲賞を受賞しているミュージシャン Gustavo Santaolalla という実に豪華な組み合わせ。静謐で耽美的で物悲しく、ポストロックとエレクトロニカの世界を完全内包している。僕の大好きな監督・俳優・ミュージシャンが揃っているので、この映画は見ないとダメだなぁ。



2016年8月8日月曜日

Atomic : Mogwai

子供の頃から戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを教えられ、小中学校の頃は冷戦のさなかに核戦争の恐怖に怯え、高校生になるとチェルノブイリ原発事故で世界は終わると思い、大人になってから福島原発事故で絶望の淵に立たされた世代。もはや DNA レベルで、原子力が制御不能になった時の恐怖を知っている。




Mogwai の新作は英国 BBC 制作ドキュメンタリー番組のサウンドトラック「Atomic : Living In Dread and Promise」を編集したものであり、核そのものをテーマとした作品だ。ここには「Little Boy」や「Fat Man」と言った広島・長崎をテーマとした曲が収録されているものの、核エネルギーに対しての全否定というよりは、制御不能なプロメテウスの火を作った人類の業といったものが表現されている。原子の世界が持つ抽象的な美が、轟音ギター控えめのエレクトロニカ寄りな荘厳な音で表現されているのが特徴だ。


彼らは今年6月に広島公演を行い(オバマ大統領の訪問直後だ)、核兵器を含めた原子力に対する考察を提示した。原子エネルギーの完全撤廃という、簡単に回答が出ない議論はここではしないが、核廃絶が大きなうねりとなり、その中心が広島・長崎になっているのは事実。人類が背負った重たい十字架について再考するには、この作品がそっと背中を押してくれるだろう。

2015年3月12日木曜日

Music Industry 3.Fitness Industry 1. : Mogwai


Music Industry 3.Fitness Industry 1. : Mogwai


デカダンスな男とたまに言われることがあるんですが(笑)、ここ2週間ほど退廃的なんてものじゃないほど心身が不調でした。そのお陰で、これまで滞ることも殆どなかったブログも投稿マヒ。寄る年波に勝てなくなったのか、寒さのせいなのか、ストレスのせいなのか何だかよく分かりません。取りあえず体調も回復したので久々に投稿です。

そんな絶不調の中でも、繰り返し繰り返し聴いていたのが Mogwai の最新 EP。この手の音楽ばかり聴いているから不調になるんだよ、なんて言われそうですが。それはさておき、この EP は無数リピートに耐えうるほど素晴らしい出来。新曲3曲+リミックス3曲で成り立っていますが、とんでもなく開かれたさわやかシューゲイズトラックで幕を開ける。この超絶ポジティヴィティで心臓を鷲掴みされて、徐々にエレクトロニクス導入な陰鬱インストポストロックへなだれ込む。甘美なこと極まりない。

後半になるとリミックストラックだけあって、打ち込み重視の轟音ソリッドミュージックへと変貌。ホラーな波動が渦巻くと思いきや、黄泉の世界から聴こえてくるような幽玄音楽へと続き、静謐なピアノと轟音ギターのせめぎ合いが続く Mogwai ここに極まれり的トラックで締める。バリエーション豊かなトラック群で、心の救済を求めるにはもってこいの作品です。

2014年6月19日木曜日

Rave Tapes : Mogwai

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前作「Hardcore Will Never Die But You Will」(過去レビュー)から3年ぶりとなる、ポストロック代表格 Mogwai の新作タイトルおよびジャケットに惑わされてはいけない。レイヴな感覚などは殆ど無く、ジャケットから想起されるような直線的エレクトロニカでもないからだ。おそらくシニカルな彼らのことだろうから、深い意味などを持たせず、するりと逃げてしまうような掴みどころの無さを表現しただけだろう。

ここでは最近の作風に見られるような、轟音を抑えた静謐なアンビエンスを追求。アナログシンセサイザーを導入するなど新機軸も見られるが、路線を大きく転換するような変貌ぶりはない。敢えて言えば、過去の作品から連続性を保ちつつ、緩やかに変化している彼らがいる。それでもぶれていないのは、彼らが本来持ち合わせている叙情性が貫かれているからだろう。厳かに静かに降る雨の如く、美しく響いている音に耳を澄ませばいい。寄せては返す波のように激しい優しさを感じ取れるに違いない。

2013年5月3日金曜日

Les Revenants : Mogwai


Les Revenants : Mogwai

オリジナルアルバム「Hardcore Will Never Die But You Will」(過去レビュー )から2年ぶりとなるMogwaiの作品。一聴して静謐な作品であることが分かり、「まるでサントラのようだな」と思っていたら本当にサントラだった。その意味で言えば、制作の目論見はみごとに成功しているでしょう。フランスのテレビドラマ向けサウンドトラックとのことですが、グラスゴーの重鎮バンドにこのような作品を作らせてしまうとはさすがフランス。どんな粗筋かと思いきや、田舎町に起きるゾンビと人間の戦いを描いているんだそうな。さすがフランス。狂気と哀しみが満ちている旋律は相変わらずのMogwai節です。

ただし、いつものような轟音はすっぱりと封印。緩く進むリズムの上に、静かなるキーボードや鉄琴による悲しい調べが踊り、押し付けがましくなくスコアが進んでいく。中でもボーカルがフィーチャーされている「What Are They Doing In Heaven Today?」は素晴らしい。カントリー&ウエスタンのようなメロディなのに、泥臭さやグルーヴを完全に排除した演奏は欧州系バンドならでは。開かれた感覚に満ちた、Mogwai新境地とも言える楽曲です。いや、この曲だけじゃない。アルバム全体が、サウンドトラックとオリジナルアルバムの両側面を兼ね備えた新境地となっています。