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2016年10月30日日曜日

Strange Little Birds : Garbage


Strange Little Birds : Garbage


フロントウーマンの Shirley Manson が語るには「これまでのどの作品よりも控えめ」という、今年6月にリリースされた本作。にも関わらず、どの作品よりもバカでかい音が鳴らされているのに驚く。スピーカーから放射されるエネルギーが凄まじく、メタリックな爆音ギター含めたインダストリアルな音響は紛れもなく Garbage 最新型だ。

何が控えめなのか?やはり「I'm so empty」と歌う気怠さや、作品全体を覆うダークネスな質感などから、精神的な攻撃性を控えめにしているということなんだろう。確かに Shirley の心情はそうなんだろうけど、補完するバンドの攻撃性が凄まじい。また「開放的な状況下で制作された原点回帰的作品」というコメントがある通り、デビュー作で見られた耽美性を見事に取り戻している。過去最高の美しさに満ちており、聴き手の覚醒を促す音圧も申し分なし。20周年通過後にバンドの歴史を一巡し、これまでにないほどパワフルな作品になっていた。

2016年3月28日月曜日

Garbage 20th Anniversary Edition : Garbage



今年6月に4年ぶりの新作をリリース予定の Garbage。去年にはデビューアルバム(過去レビュー)の20周年記念盤をリリースしています。改めて説明するまでもなく、頭脳として機能する名プロデューサーの Butch Vig を中心に結成されたバンド。Butch Vig は Nirvanaの「Nevermind」や The Smashing Pumpkins の「Siamese Dream」を手がけた当世随一のプロデューサーとしても知られています。


久々に聴き返して思うのが、これほど完成度の高いデビューアルバムにお目にかかれるのは滅多にないという事。老練な Butch Vig が手がけているので当然なんだけど、デビュー以降20年以上経過してもバンドとしてのブレが全くない。ノイジーなギターを支えるエレクトロニクスな骨格、ポップネス炸裂なメロディ、そしてバンドのアイコンとして光り続ける Shirley Manson のデカダンスで妖艶なボーカル。この時点でバンドとしての方向性が完全に定まっている。

記念盤にはシングルのカップリング曲が収録されていますが、The Jam の「Butterfly Collector」がカバーされているのが興味深い。カップリング曲といえどもクオリティは総じて高く、アルバムの延長上として遜色なく聴けます。また、デジタル配信のみでリリースされた「Super Deluxe Edition」は何と全62曲!おびただしい数のリミックスワークスが完全収録されています。リミキサー陣は Martin Gore やら Adrian Sherwood やら Goldie やら Tricky やら Massive Attack やらぐっとくる人選。CD 2枚組の Deluxe Edition より Super Deluxe Edition を買えばよかったと後悔(買っただけで満足するだけなんだけどね)。

2013年9月1日日曜日

One Mile High...Live : Garbage


One Mile High : Garbage

今年になってリリースされたGarbageのライヴ映像を観ました。「Not Your Kind of People」(過去レビュー)で7年ぶりの復活を果たした彼らですが、その後1年にも及ぶワールドツアーを敢行。この映像作品は米国デンバーにあるオグデンシアターで行われたライヴを収録したものです。ベースのサポートメンバーとしてJane's AddictionやNINにも加わっていたEric Averyが参加。

初めてのライヴ映像作品となる本作のステージそのものはシンプルな作りで、映像そのものも素のままに撮られている。それだけに彼らが持つ真のダイナミズムが直接的に伝わってきます。アルバム作品はスタジオワークによって緻密に作りこまれていますが、果たしてライヴとなるとどうなんだろう?と思っていたところ。だけども超ベテランの粋に達しようとしている彼らだけあって、エレクトロニクス処理を織り込みながら巧みでダイナミックな演奏を披露しています。当然ながら実に実に演奏クオリティが高い。シャーリー・マンソンの妖艶な風貌とゴスなボーカルを抜きにしてこのバンドを語れませんが、脇を固めるメンバー陣の演奏のキメ方と言ったら!ステージでの魅せ方を完全に把握しているとしか思えないほど、熟練しきった老獪なポージング!彼らの完全復活を確信できる作品でした。

2012年8月6日月曜日

Not Your Kind of People : Garbage


Not Your Kind of People : Garbage

最上級レベルの硬度を誇るポップネス炸裂 - Garbage新作を聴きました。前作「Bleed Like Me」(過去レビュー)から何と7年も経過していたのか…。まずは数多の災難を乗り越えた彼らの復帰作を喜びましょう。facebookで報告されるライヴ中の彼らを見ると、ああ本当に復活したんだなぁとつくづく思う。そんな感慨と共に思い出したのが、何故かユーミン好きな女友達の言葉。

彼女は僕と同年代、つまりアラフォー女子なのでユーミン世代な訳ですが、彼女曰く「いつも期待して新作を聴くんだけど、その度に「あぁまた同じだな」と思う」とのこと。ネガティブに受け取られる発言ですが、裏を返せば同じクオリティが常に保たれているということでしょう。年に1回、作品をリリースしているのに愚作がないというのは、ユーミンが優れたアーティストであると同時に、松任谷正隆氏のプロデュースも優れているということ。

デビュー以来17年間、Garbageのフォロワーで在り続けている僕ですが、彼らの作品も常に同じクオリティが保たれているのを感じる。静と動が同居している轟音ギターに無機質なビート、気怠く妖艶に歌い上げるシャーリー・マンソンのボーカルに切なくポップなメロディ。デビュー以来、劇的に変わることもない反面、高品質なサウンドプロダクションが保たれている。これはまさにブッチ・ヴィグの職人芸がなせる技と言えるでしょう。時代とともにマイナーバージョンアップを繰り返しながら、常に最新モードを聴かせる彼らこそポップの極みといえるでしょう。