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2016年1月28日木曜日

Dodge and Burn : The Dead Weather



「Sea of Cowards」(過去レビュー)から5年ぶりにリリースされた(と言っても昨年9月リリース)、The Dead Weather の 3rd アルバムが妖艶かつ不穏な空気をたたえて凄すぎる。ロックンロールの正統的後継者である Jack White のサイドプロジェクトと捉えられているバンドですが、問答無用のロックンロール・グルーヴを大炸裂させ、サイドプロジェクトなんて片手間な感覚は全くなし。女性ボーカリストの Alison Mosshart を迎えているからこそバンドは呪術的に妖しい光を放っており、長期間に渡り継続的にレコーディングされた本作はこれまでで一番成熟した出来に。

時にはレゲエタッチになる Jack White が叩くドラム、Queens of the Stone Age の Dean Fertita が切り刻むブルージーなギター、The Raconteurs にも参加している Jack Lawrence のダウントゥアースなベース。彼らが紡ぎ出すバンドケミストリーにより、爆発的閃光を放つガレージロックが成立。方法論はオールドスクールなのに、放射される熱量はとてつもなく、佇まいはあくまでもクール。21世紀になってもまだロックンロールは死んでいなかった。Zeppelin が切り拓いたハードでメタリックな南部志向ロックンロールを、新たな形で呈示する彼らこそロックの未来なのだ。

2014年8月30日土曜日

Lazaretto : Jack White

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60年代~70年代中期におけるブルースやロックンロールが呪術的であるように、この人の音楽を何度聴いても「悪魔に魅入られた」という形容詞が頭に思い浮かんでしまう。前作のレビューでも「ロックンロールに魂を売り渡した」なんて書いたけど、鬼気迫るようなグルーヴとソウルがここでも黒々と渦巻いていた。同時リリースしたウルトラLPと呼ばれるアナログ盤は多種多様なギミックが仕掛けられているようで、ヴァイナルにも同様のグルーヴが渦巻き状に彫られているということだ。

相変わらずアナログレコーディング手法やヴィンテージ楽器にこだわり、ブルースやカントリー、フォークといった米国ルーツ音楽を発展させて、最新型ロックンロールへと昇華させる技は他の追随を許さない。これまでは短期間レコーディングや一発録りによるスピード感を重視していたが、本作ではレコーディングに1年間を費やしたとのことで、練りに練られた完成度の高さが伺える。

デジタルレコーディングや配信マーケットが飽和状態になるにつれ、その反動がやってきたのかアナログ市場が活況になってきている。HMVが渋谷にアナログ専門店をオープンさせ、パイオニアがターンテーブルをリリースした。まさにアナログ市場の復権が叫ばれ、ロックンロールはリバイバルの兆しを見せている。その急先鋒となるのがブルーに彩られた本作に他ならない。繰り返し言うが、ここにはロックンロールの悪魔が潜んでいる。

2012年6月7日木曜日

Blunderbuss : Jack White


Blunderbuss : Jack White

ロックンロールに魂を売り渡した男 Jack White。惜しくも2011年に解散してしまったThe White Stripesの片割れであり、最近ではThe RaconteursやThe Dead Weatherといったバンドでの活動でも知られている彼が、キャリア15年の中でも初めてというソロアルバムをリリースしました。ここ最近ではJimmy PageやU2のThe Edgeと映画「ゲット・ラウド」で共演を果たし、映画「シャイン・ア・ライト」でもストーンズと客演していることから若手の中でも実力的に最高峰に位置するギタリストと言えます。その男が作った作品は果たしてどうなっているのか?これがもう全く期待を裏切らないものとなっていました。

The RaconteursやThe Dead Weatherで垣間見られたような、ブルースにコミットしているロックンロールとも違う。The White Stripesのようなガレージを背景としたロックンロールとも違う。いや、その両方を兼ね備えた、ブルースやカントリー、フォーク、スウィングと言ったルーツミュージックを総括しているロックンロールアルバムだった。アコースティックギターやピアノ、弦楽器を多用することにより、中期ストーンズを彷彿とさせるようなダウントゥアースな雰囲気を醸し出し、M2にみられる引っ掻くような強靭リフでZepを彷彿とさせる。相変わらず妖艶で呪術的グルーヴに満ちた作風は、ロックンロールの過去を俯瞰しながら未来を占うことのできるものだ。いい意味で肩の力が抜けた作風は、Jack White本人の自信を伺えるものとなっていた。