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2016年8月20日土曜日

HYMNS : Bloc Party



前作「Four」から4年経過してリリースされた Bloc Party の新作を聴いたんですが、一聴して「これって Bloc Party なの?」って驚いた。全く違うバンドに思えたからだ。ボーカルすら違うように聴こえた。ドラムとベースを担当していたメンバー2人が脱退し、新メンバー2人を迎え入れたのは聞いていた。つまりバンドの半分が入れ替わったしまったので、かつてのケミストリーが明らかに失われているのです。

これまでの彼らと違って内省的で、前作で見られた攻撃的要素が控えめになっている。性急でつんのめるようなドラムワークは失われ、ざらりとエッジの効いたギターもない。その代わりにエレクトロな要素が復活しているが、フロントマン Kele Okereke のボーカルもどこか控えめでエモーショナルな感覚が損なわれている。そもそもリードトラックからして相当変態的なエレクトロミュージックで、迷走っぷりが否めない。

昔からのファンは失望しているだろうし(僕もそうだ)、どこかで今後の彼らに期待すらもしている。繰り返し聴いて、彼らのコア要素であるメランコリアでどこか救いを求めている自分がいる。ポストパンク・リバイバルの旗手であった彼らはここにはいない。屋台骨のドラムとベースが入れ替わると、グルーヴはここまで失われるものなのか…これは新生 Bloc Party の通過儀礼なんだ、そう思うしかない。

2015年2月24日火曜日

Trick : Kele



UKロックの耽美な流れを受け継いだ、信頼に値するバンド Bloc Party。そのバンドの最重要人物にして、真のセクシャリティを表現しているのが Kele Okereke だ。そんな彼が4年ぶりにリリースした 2nd ソロアルバムが相当いい。まずは開き直りっぷり全開なジャケットがいい。このジャケットに惑わされがちなんだけど、元々はクラブミュージック志向を持っていたことにハタと気づく。そう言えば 1st ソロアルバムのレビューで「クラブミュージック完全体」と書いていたっけ。

まず一聴して驚いたんだけど、ダークネスな香りがてんこ盛り。違う CD かけてる?と勘繰ったほど、クラブミュージックへのフルコミットを果たしている。特にディープハウスやダブステップへの傾倒っぷりが半端なく、漆黒の闇から重たい音像を浮かび上がらせることに成功している。グラスゴーの女性シンガーである Yasmin を起用することにより、Kele の艶っぽいボーカルに華を添えているところも重要。聴き始めた当初は重たい雰囲気にのまれていたんだけど、Keleの作るメロディに仕込まれたメランコリーに救済される。バンドマンとしての出自ゆえにクラブミュージック愛好家から注目されることもないだろうし、メディアが大々的に取り上げることもないだろうし、派手なチャートアクションを見せることもないだろうこの作品。だからと言ってスルーするには勿体ないぐらいの仕上がりっぷりで、僕は全面的に支持します。



2012年11月16日金曜日

Four : Bloc Party


Four : Bloc Party

解散危機がまことしやかに伝えられていたBloc Partyが4年ぶりに新作をリリース。そのタイトルはすばり「Four」だというのは、単純に4作目だからなのか?それともバンドメンバー4人の結束を表明しているのか?いや、その両方なんだろうけど。

前作「Intimacy」(過去レビュー)でエレクトロ路線へと大きく舵を切り、その後リリースされたフロントマン Kele Okereke のソロ作品(過去レビュー)に至ってはクラブミュージック完全体へ。この流れにはKeleと他メンバーとの間に大きな溝が存在し、それが解散危機へと発展したようです。つまりクラブ志向を突き進めたいKeleと、ポストパンク・リバイバルのバンド形態を追求したいメンバーとの確執があったとか。どうにかその危機を乗り越えてバンドが提示した新作は、これまでと全く異なる志向でした。

かつてないほどヘヴィ。USオルタネイティヴのマナーを引用したかのようにハードなギターとどっしりとしたビート。これまでと同様に細かく刻まれるギターや、胸締め付けられるような切ないメロディも健在。ただし、ポストパンク・リバイバルへのコミットメントを果たしていた、つんのめるようなドラミングは鳴りを潜めていた。バンドが再結束して提示した音はこれまでの趣向とは大きく異なるものだったけど、彼らの世界観は全く変わっていない。それは何かに取り憑かれたかのような切迫感や緊張感、深夜の路上に偏在する孤独、夜が朝に変わろうとする時のような輝かしさだ。果たしてこの作品は今後のバンドを占うものとなるのか?またもや目が離せない存在となってきました。