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2015年9月13日日曜日

Safe in Harbour : Vilod



これまで「Re: Ecm」(過去レビュー)や「Zug - Reshaped and Remodeled」(過去レビュー)等でコラボレーションを果たしている Ricardo Villalobos と Max Loderbauer の異才二人。今年6月に Vilod という新ユニットで Perlon から新作をリリースしました。これがもう、Moritz Von Oswald Trio の新作「Sounding Lines」(過去レビュー)と同レベルの異型具合で、粘着系テクノという新しいジャンルを提唱したいほどネバネバっぷりが凄まじい。

Ricardo Villalobos が創り上げる有機体としか思えない電子音と、Max Loderbauer が産み落としたフリーキーなジャズ要素を絡めとった電子音の融合。デリケートな音使いとアブストラクトな音像は相変わらず脳への直接作用が凄まじく、ミニマルダブと簡単に括れないほど複雑怪奇な怪作に仕上がっています。多層的に積まれたサウンドレイヤーが生き物としか思えず、脳味噌を無限大に拡張し続けるブレインミュージックです。

2013年6月3日月曜日

Zug - Reshaped and Remodeled : Conrad Schnitzler / Ricardo Villalobos / Max Loderbauer


Zug - Reshaped and Remodeled : Conrad Schnitzler / Ricardo Villalobos / Max Loderbauer

タンジェリン・ドリームやクラスターといったバンドで活動を行い、ジャーマンプログレッシヴ・ロックの始祖として知られるコンラッド・シュニッツラー。惜しくも2011年に没していますが、彼の電子音楽的DNAを現在に継承しようと、リカルド・ヴィラロボスとマックス・ローダーバウアーが解体・再構築。以前、この二人はジャズ・レーベルである「ECM」の音源を再構築した「Re: Ecm」(過去レビュー)をリリースしていることから確信犯的タッグと言えるでしょう。今回の素材となっているのが、コンラッド・シュニッツラーが1974年にカセットテープでのみリリースしていたミニマルトラック「Zug」であり、有難いことにYouTubeで耳にすることが出来る。これがどのようにリシェイプ~リモデルされているのか聴いてみたところ…

M1は粘着力あるキックとフリーキーな電子音が飛び交うクラブトラックで、ヴィラロボス節がこの時点で全開。続くM2ではアブストラクトな音響が不気味に蠢いていおり、聴き手の不安感を煽っていく。M3ではBasic Channel以降のミニマル・ダブの始祖と言われているStefan BetkeことPoleが地下ダブを構築し、M4ではこの盤をリリースしたレーベル m=minimal のオーナー二人が重たいキックのミニマルへと再構築。徐々に近づいてくる機関車の警笛がやたらと不気味に響き、やがてこの盤の中で一番分かりやすい四つ打ちトラックへ変貌。いずれにしてもどのトラックも劇薬になりうるものなので、シチュエーションを選んで聴くのがいいでしょう。

1. Zug – Aktion Mix (19:24)
2. Zug – Sorgenkind Mix (14:12)
3. Zug – Pole Mix (07:03)
4. Zug – borngräber & strüver Mix (10:34)


2012年12月12日水曜日

Dependent and Happy : Ricardo Villalobos


Dependent and Happy : Ricardo Villalobos

アルバムとしてはMax Loderbauerとの共作「Re: Ecm」(過去レビュー)以来となるRicardo Villalobosの新作を聴きました。幸いにして一番最初に聴いた場所が車の中、しかも高速道路を爆走通過中の時。爆音の中に聴こえてきたのは、粘着力のある規則的なパーカッション、それに絡み不規則に進んでいくドラム。ねばっとしたパーカッションが耳を捉え、どろりと低く唸る重低音が足元にまとわりつき、突発的に浮かんでは消える妖艶な効果音が全身を包み込みます。効果音が縦横無尽に行き交う中、いつしかビートは不可変で規則的なものへと変化。とにかくベースがとてつもない程重たくて、これはもはや聴く作業と言うよりも身体で受け止める作業と言った方がいい。

随所に挿入されるフレーズや意味不明のヴォイスサンプルが聴こえてくる度、受け手は覚醒させられつつも続いていく低音に身体を揺さぶられる。とにかく爆音で聴くと音の分離が明確に理解できるので、パーカッション~効果音~ビート・重低音といった複数レイヤーの意図を受け止めることができる。これはもう一種のエクスペリエンスなのだ。前述の通り、爆音環境でこそ聴かれるべき音楽なのだ。極めて機能的なダンスミュージック~ヘッドミュージックなのだ。