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2015年7月9日木曜日

Late Night Endless : Sherwood & Pinch



以前、当ブログで紹介した Sherwood & Pinch が満を持してフルアルバムをリリース。これはもうダブという枠では片付けられないほど深化した、極上のエレクトリックミュージックだ。マスタリングを手掛けるのは、多くのアンダーグラウンドアーティストから支持を集めている Rashad Becker。この布陣によりマシンビートは極めて硬質かつクリアに鳴らされ、インダストリアルな感覚と極太ベースが満載。凶悪なダブの鳴り響きにより、意識が宇宙の果てまで持っていかれる。ルーツ・レゲエから累々と流れるUKダブは、今やダブステップをも飲み込んで刻一刻と進化している。

2014年5月21日水曜日

The Music Killer EP : Sherwood & Pinch

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ジャマイカからの移民が英国ブリストルに流れつき、本国のレゲエ/ダブを持ち込んだのがUKダブの発祥、というのが定説。それを更に発展させたのがボスキャラである Mark Stewart および Adrian Sherwood であるのは言うまでもない。70年代後半のパンクシーンから累々と続くUKダブは、90年代のトリップホップ、00年代のダブステップを経て、全世界に向けてのベース・ミュージックとして大きな潮流となっている。このEPはレジェンドである ON-U Sound 総帥 Adrian Sherwood と、ダブステップレーベルである Tectonic 主宰者である Pinch がタッグを組んだ超強力ドープネス作品。深遠な重量級ベースラインに、ダブステップマナーなハンマービートが楔のように打ち込まれ、老獪なダブ処理が冷たく施される。伝統と未来が融合し、世代を繋いだ作品として聴かれるべき。

2014年1月10日金曜日

More Tales From The Orbservatory : The Orb featuring Lee Scratch Perry


More Tales From The Orbservatory : The Orb featuring Lee Scratch Perry

The Orb と Lee Scratch Perry 翁の奇跡のアルバム「The Orbserver In The Star House」(過去レビュー)の姉妹編的作品。同一セッションで制作されたものの、正編には収まりきらなかったアウトテイク的作品集です。とは言っても前作に比べ遜色のない出来栄えで、よりシンプルで硬質なミニマルダブに仕上がっています。

Lee Scratch Perry のトースティングが乗っているオリジナルバージョン、及びボーカルレスのインストバージョンの合計11曲が収録されていますが、もしこの作品を手にするならば日本盤を購入することを固くお薦めする。何故ならUKダブの重鎮 Mad Professor によるリミックス、Ricardo Villalobos と Max Loderbauer によるリミックスが収録されているからだ。特に Ricardo Villalobos + Max Loderbauerのそれは有機的なんだか無機的なんだか、密度が濃いんだかスカスカなんだか分からない、相変わらずのフリーキーっぷり。

2013年4月21日日曜日

Recovery Time : Adrian Sherwood


Recovery Time : Adrian Sherwood

Adrian Sherwoodが昨年リリースした「Survival & Resistance」(過去レビュー)がキャリア史上最凶傑作の呼び声高くなっていますが、その半年後に5トラック収録のEPをリリースしています。これは単なるリミックス盤ではなく、チル感覚満載の「Survival & Resistance」をフロア仕様として再構築したもの。しかも他者にリミックスを依頼しているのではなく、自身で深化させています。それ故に、単にビート強化したものではなく、オリジナルが持っていた耽美感を損なわずに、深みのあるベース・ミュージックへと変貌させている。そこにはダンスホールレゲエやダブステップ、果てにはジャングルが引用され、かなり冒険心のある作品へと仕上げています。ただし、フロア志向とは言っても5トラックのみの収録。全トラックを解体~再構築して欲しかったですね。

2013年3月12日火曜日

Survival & Resistance : Adrian Sherwood


Survival & Resistance : Adrian Sherwood

UKダブの始祖にして、代名詞的存在であるレーベル「ON-U」総帥でもあるAdrian Sherwood。単なるダブだけでなく、NINやPrimal Scream、Depeche Modeらをプロデュースするなどロック・フィールドでも活躍している方としても有名。そんな御大が「Becoming a Cliche」(過去レビュー)以来、実に6年ぶりとなるソロアルバムが去年の夏にリリースされています。いや、あれからもう6年も経っていたことに改めて驚きなんだけど、それ以上にかなりのハイレヴェルな内容に驚嘆というか感動を覚える。

これまでの冷ややかで硬いダブとは異なり、実にオーガニックで温もりのあるダブさ加減。しかもダブという枠組みを越えて、ブルースやボサノヴァが持っている哀愁と憂いさえ感じさせます。時折ジャジーでメロウなピアノの旋律やストリングスがちらついたかと思えば、地べたを這うように重低音がねっとり響き渡る。ハーモニカやギターといったアナログ感覚を魅せつけたかと思えば、ダブ処理されたエレクトロニクス音がこだましていく。実にスタイリッシュでクールでチル出来るアーバンミュージックじゃないか!Massive Attackから始まりBurialへと続いていくUKダブ~ベース・ミュージックの源流をまざまざと見せつけてくれます。いや源流でありながら最新型モードを提示してくれるのは面目躍如といったところ。まさしく「生存と抵抗」の音楽です。本当に素晴らしい。

2012年12月28日金曜日

The Orb featuring Lee Scratch Perry present The Orbserver In The Star House

ボブ・マーリーは歌のみでレゲエを成立させるというが、「笑っていいとも!」に出演したリー・ペリーはその存在のみで周囲をカナビススモーカーにしてしまうだろう。


The Orb featuring Lee Scratch Perry present The Orbserver In The Star House

90年代初頭のUKから宇宙や異次元に向けて音を流し続けるThe OrbのAlex PatersonとThomas Fehlmann、そしてYouth。60年代末のジャマイカから煙を吸い続ける、生ける伝説Lee Scratch Perry。現代地下ベルリンで重低音を発し続ける、共同ミキシング担当のTobias。彼らが個々に作っていた地下水脈は、今年になってようやく必然的邂逅を果たした。ジャケットを見てほしい、宇宙の中心はジャマイカで、その周りを囲む宇宙はThe Orbによって作られているかのようじゃないか。

いつかこういった作品ができることを予感していましたが、完成度は予想を遥かに超えていました。リー先生の存在感があまりにも強すぎて、ここで聴けるのは Lee Scratch Perry featuring The Orbかのよう。The Orbのいつものような効果音や電子音は控えめになっており、リー先生のトースティングが新たな小宇宙を構築。それを支えるのは地下ベルリンで鳴り響く硬質な圧倒的重低音。しかも初期の名曲「Little Fluffy Clouds」がここでは「Golden Cloud」というオマージュカバーへと変貌を遂げている。これは奇跡の邂逅なんかなじゃい、運命の必然的出会いだったのだ。

2012年5月23日水曜日

We Are Screen : Screen


We Are Screen : Screen

The OrbのDr.Alex Patersonがまた新たなるユニットを結成しました。Dr.Alexに加えて、イタリア出身のエレクトリックダブ・アーティストであるDaniele Gaudi、ダブボーカリストであるChesterの親父三人が悪巧みを繰り広げています。まず何にもましてジャケットが最高にイカしている!The Orbが宇宙の彼方へとぼくらを連れてってくれるならば、Screen3人組は宇宙から荒野に降り立った使者に違いない。当然のことながら中身も更にぶっ飛んでいる!

元来レイヴカルチャーにおいて大きな役割を果たしてきたDr.Alexだけに、ダブへのコミットメントを果たすのは当然の行為。かのMad Professorとダブユニットを組むという話もかつてあっただけに、ダブとの相性は実証済みといえるもの。本作も実に味わい深い、硬質なエレクトロニクス処理が施されている重たいエレクトリックダブに仕上がっています。更には共犯二人がいい仕事をしているせいなのか、ルーツレゲエの香りがぷんぷんと漂いまくっています。スペーシーでグルーヴに溢れた一大ダブ叙情詩に身を委ねれば、両耳から脳みそが流れ出ることまちがいなし。