攻殻機動隊にそれほど詳しいわけではなく、20年も前に原作を読んだくらい。ただしその思想は映画「マトリックス」の根幹を作り上げ、サイバーパンクのバイブル的存在になっていることは知っている。そんな作品が様々なメディアに枝分かれした後、去年以降には前日譚とも言うべき「攻殻機動隊 ARISE」が公開されています。そしてその音楽を手がけるのは Cornelius。映画を観ていないのでなんとも言えないんですが、アルバムは映画にそぐわっているものなのかな?確かにこれまでの作風に比べて随所がテクノ-オリエンテッドになっているんだけど(特に四つ打ちミニマル「Highway Friendly」や明らかにDAFを意識した「ToughDAF」はCorneliusとは思えない!)、やはり三つ子の魂百までというか清涼かつ音響的な作風はサイバーパンク的には聴こえないんだけど。
salyu×salyu をフィーチャリングした「じぶんがいない」あたりは音が研ぎ澄まされて素晴らしい。はたまた実験音楽のような冒険心に溢れたトラックがあるのも好印象。パッケージも前作「デザインあ」(過去レビュー)を踏襲しつつのトランシーな作りになっていたりと随所にこだわりが。でもやはり総じてサイバーパンキッシュではない。Corneliusがこれまでのマンネリズムを打破しようとした結果なのかな。サントラではなくCorneliusとしての独立作品として聴けばそれなりに楽しいのかも。
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