2012年11月10日土曜日
PBX Funicular Intaglio Zone : John Frusciante
PBX Funicular Intaglio Zone : John Frusciante
John Fruscianteは「ギターを抱えたSquarepusher」になり得るか?
先行シングル(過去レビュー)で予想していた通り、アルバムはその延長線上にある実験的エレクトリックミュージック。一般的に受け入れられにくい実験的要素と前衛性を持っているんだけど、Johnが持っている叙情性がふんだんに盛り込まれてるので、決して難解ではない。シングルでは外部MCを起用したラップが結構フィーチャーされていましたが、アルバムではほぼ一人で制作しているので密室性があります。自らの音楽の枠を果敢に広げようとする姿勢はさすがとしか言いようがありません。
ブレイクビーツに切ないギターアルペジオが絡む「Intro/Sabam」、アシッドベースが静かに進んでいく「Hear Say」 、狂気のボーカルと自由奔放な高速ドラムンベースの融合が素晴らしい「Bike」、80年代オールドスクール的なエレクトロポップ「Mistakes」、ボーカルサンプリングを多用したフリーフォーム的前半からAtari Teenage Riot的な轟音ギターと超高速回転ドラムンベースへなだれ込んでいく「Sam」など聴きどころ盛りだくさん、というか全編聴きどころ。
電子音楽用の機材を手にすれば、肉体の呪縛(例えばギターを弾く指)から解放されて、脳に直結した音楽を創ることができる、と言ったのは石野卓球氏だったか野田努氏だったか。もはやJohn Fruscianteはギタリストの枠を超えており、脳内マジカルワールドを表現する孤高のミュージシャンへと変貌を遂げていた。
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