2013年3月16日土曜日

Truant / Rough Sleeper : Burial


Truant / Rough Sleeper : Burial

この間ちょっと驚いたんだけど「ダブステップ・ディスクガイド」なんていう本が出ているのね。クラブミュージックはカウンターカルチャー寄りの音楽だし、その中でもダブステップは本流とはならないだろう音楽だと思いますが、振り返ってみると発生から10年近く経っているのね。もちろん突如発生した音楽ではなく、源泉たるUKダブから脈々と流れたベースミュージックの一支流です。そこにドラムンベースやブレイクビーツといった様々な要素が流れ込み、ダブステップと命名されたのが10年前ということでしょう。で、そのダブステップに市民権を与えた一人がBurialというわけです。

去年の暮れにリリースするぞ、といいつつタイトルや詳細が明らかになったのは発売前日。そこまでマーケティング効果を狙っていたのは、世間からの期待値が高かったからなんでしょうね。そのプレッシャーたるや結構重かったと思うんですが、内容も期待を裏切らないものとなっていました。2トラックで30分弱という長尺ながら、組曲のように1トラックの中に複数トラックが混在している。それぞれが繋がっているのではなく、ひとつの世界が構築されては消えていく。幽玄でオリエンタルなヴォイスサンプル、ダークでメランコリックなメロディ、埃にまみれたアナログ盤から聴こえてくるかのようなノイズ、重たく這って行くベース音は相変わらず。ここにはダンスミュージックの機能性はないんだけど、イヤホンとかではなくぜひ大音響で聴いてほしい。深夜の湿った路地から立ち込めるような蒸気を感じ取れるはずだから。

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