2013年3月12日火曜日

Survival & Resistance : Adrian Sherwood


Survival & Resistance : Adrian Sherwood

UKダブの始祖にして、代名詞的存在であるレーベル「ON-U」総帥でもあるAdrian Sherwood。単なるダブだけでなく、NINやPrimal Scream、Depeche Modeらをプロデュースするなどロック・フィールドでも活躍している方としても有名。そんな御大が「Becoming a Cliche」(過去レビュー)以来、実に6年ぶりとなるソロアルバムが去年の夏にリリースされています。いや、あれからもう6年も経っていたことに改めて驚きなんだけど、それ以上にかなりのハイレヴェルな内容に驚嘆というか感動を覚える。

これまでの冷ややかで硬いダブとは異なり、実にオーガニックで温もりのあるダブさ加減。しかもダブという枠組みを越えて、ブルースやボサノヴァが持っている哀愁と憂いさえ感じさせます。時折ジャジーでメロウなピアノの旋律やストリングスがちらついたかと思えば、地べたを這うように重低音がねっとり響き渡る。ハーモニカやギターといったアナログ感覚を魅せつけたかと思えば、ダブ処理されたエレクトロニクス音がこだましていく。実にスタイリッシュでクールでチル出来るアーバンミュージックじゃないか!Massive Attackから始まりBurialへと続いていくUKダブ~ベース・ミュージックの源流をまざまざと見せつけてくれます。いや源流でありながら最新型モードを提示してくれるのは面目躍如といったところ。まさしく「生存と抵抗」の音楽です。本当に素晴らしい。

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