2013年2月18日月曜日

Loveless (Remastered) : My Bloody Valentine

先日MBVの記事を書いてハタと思い出した。新作の音質があまりよろしくなかったので、去年リリースされたリマスター盤の音質と比べてみよう!と思い立った訳です。

ここでちょっとしたトピックスを一つ。バレンタインデーの1週間前である2/7、会社の後輩と新宿にいました。ひと仕事終えてから昼飯を食べたところ、近くで献血を呼びかけていた。後輩が「献血って身体にいいらしいですよ~。古い血を抜いて、新しい血が作られるっていうので。」と言うから、素直に「そんなに健康にいいのか!じゃあ行こう!」ということになった(後で全くのデマであることを知る)。夜、家で爆音キメてこのリマスター盤を聴いたところ、とんでもない目眩に襲われた。献血したせいでもあるが、このリマスター盤が持っている破壊力に圧倒されてしまったのだ。翌日は自分の誕生日ということもあるし早く寝よう…マイバースデイ前に血を抜いて、バレンタインデーまであと1週間……My Bloody Valentine。


Loveless - Expanded Remastered Edition : My Bloody Valentine

取りあえずこのリマスター盤のクオリティが凄まじい。作品の内容については前にも書いたことがあるので割愛。2枚組になっており、Disc-1はオリジナルテープをリマスターした音源、Disc-2はオリジナル1/2インチテープをリマスターした音源となっているが違いは正直いって分からない。とにかく音が立っており、オリジナルがもっさりしていた音だったことが分かる。しかも音の定位が揺らいでいるので、立体感が増している。なるべく高品質の環境に身を置いて聴いてほしい。「Only Shallow」でギアアァァ!!!とかき鳴らされる轟音ギター、「loomer」でドドドドドド!!!と鼓膜を襲う決壊した洪水のような音、「touched」で宇宙を泳いでいる鯨の鳴き声のような音…スペクタクルな音を実感することができ、まともな神経の持ち主だったら目眩や吐き気を覚えるはずだ。もっと繊細な人だったら気絶さえするかもしれない。それだけ聴き手に陶酔感や酩酊感を覚えさせるリマスター具合だということ。

振り返ってみれば、この作品は時間が経つにつれて神格化されてきた。リリース当時はそこそこに売れたものの、爆発的なヒットとなったわけじゃなかった。日本のロック雑誌や一部のアーリーアダプターから絶賛され、やがて時代が彼らに追いついてきた、と理解する方が正しいと思う。ここからシューゲイザーが生まれ、累々たる流れでポストロックを経て、現代も生き続けている鼓動と解釈すべき作品じゃないかな。

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