2015年4月16日木曜日

めん 和正


三軒茶屋でもっぱら評判が高い「和正」(わしょうと読みます)を訪問してきました。駅から国道246号線を上って徒歩5分ほどの場所。看板が掲げられておらず、しかも隣は油そば店なので素通りしてしまう可能性が高い。だけどもご心配無用、ご覧の通り行列が出来ているのであっさりと発見。ここの店主は永福町大勝軒の出身ということなので、いわゆる永福町系に分類される。先日、店主が亡くなった東池袋の大勝軒とは全く系統が異なります。


上品な店内はカウンターとテーブル一つのみ。店主ご夫婦が静かに、かつ丁寧に愛想よくお店を切り盛りしています。僕が頼んだのは中華麺を中盛、味玉つきで。そもそも永福町系なるものを食べたことがないので事前情報が全くない。どうやら和正とは和風かつ正油に因んでいるようで、海産物系の出汁を使用しているとのこと。


静かに待っていると大ぶりの一杯が着ドーン。そう言えば永福町系は大きい器に盛られている聞いたことがあるが、なるほどこれを見て思わず納得。スープを啜ってみると…仄かに煮干しを始めとした魚介系の香りが立つが、いわゆる煮干し系とは違う雑味なしのすっきりした味わい。二口目を啜ると、鶏がらや豚骨がらといった動物系の出汁が骨格をしっかりと作り上げ、魚介系の風味をより際立てる。甘みさえ感じられる繊細な味わいが実に印象的。ロールされた豚バラチャーシューは、箸で掴み上げるのが難しいほど柔らかく煮こまれている。ほろほろ肉に封じ込められたジューシーな味わいは、チャーシューを追加しなかったことを悔やませる。適度に半熟な味玉も全体との相性が良くて、追加で注文して良かったと思わせる出来。こりこりした食感のメンマも実に完成度が高い。


麺をリフトアップすると、見事な縮れっぷりの中太麺が顔を出す。表面はつるりとしており、適度な噛みごたえのあるクニクニした食感とツルツルいける喉越しを体験できる。やや粘度のあるスープが麺に絡みきり、麺とスープがまさに一体となっているではないか。まろやかな味わいのスープはもはや魚介系か動物系かを意識させない素晴らしい旨味で、麺の持つ甘みを極限まで引き出すことに成功している。これは旨い、間違いなく旨い。三軒茶屋で最強のラーメン屋と言われているが、田園都市線沿線の中でも屈指のハイクオリティだ。何度でも足を運びたくなるお店とはこういうお店を指すんだろう。

めん 和正ラーメン / 三軒茶屋駅西太子堂駅池尻大橋駅
夜総合点★★★★ 4.0
昼総合点★★★★ 4.0

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