2013年10月13日日曜日

Exai : Autechre


Exai : Autechre

またも咀嚼しづらいアルバムを聴き続けている。元々が難解で複雑なヘッドミュージックなのに、今回の作品はあろうことか2枚組超大作。そう簡単に消化できるほど軟弱な作品じゃないし、ここまでくると哲学的な次元を超越してしまって、禅問答の境地に到達しているとさえ思える。

前作では初期回帰的な試みがされていたけど、本作ではキャリア俯瞰的な……と書いてしまうと簡単だけど、これまでの作品を総括~再接続させたような野心に溢れている。無機質でありながら有機的、機械的でありながら抒情的、電子的でありながら肉体的、複雑系でありながら単純系。快楽的でありながら脅迫的。美しくもあり醜悪。果たしてこれは冒頭に書いたようなヘッドミュージックなのか?フィジカルなダンスミュージックじゃないのか?いや、そのどちらにも属すし属さない。まさしく禅問答している自分がいることに気付く。

彼らの新作を聴く度に解きほぐそうとする自分がいるんだけど、この作品に至ってはその作業は無意味だろう。これは音楽だとか時間だとか空間だとかいう概念を軽く超越している。一種のエクスペリエンスなのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿