2013年9月16日月曜日

WIRE13


今年もWIREに行ってきました。今回が15周年ということなので、もはやここまでくると地元のお祭に参加するようなもの。皆勤賞ではないんだけど、初回のWIRE99から参加している身としてはちょっぴり感慨深いものがあります。今回のメンツは例年にも増して豪華。野球で言えば緊張感のあるペナントレースというよりも、オールスターゲームのような祝祭感のあるイベントみたいなもんです。

【Agoria】






あまり早く入場したくなかったんだけど、フランスからAgoria登場ということもあって19:00に会場入り。当然ながらこの時間帯の客入りは今ひとつ。Agoriaのプレイも主体性に欠けるような、つまりあっちゃこっちゃにモードを変えてしまうようなプレイで今ひとつ。軽く身体を揺らせながら、来るべきラインナップに備えます。

【Ken Ishii】











Agoriaの後には久々にMijk Van Dijkが登場してライブを披露していたんだけど、2人の女性ボーカリストに加えて、自身もマイクを取って歌うというちょっとお寒い状況でした。そんなライヴをやり過ごして20:55から東洋のテクノゴッド Ken Ishii が登場。ブースに現れた途端、アリーナの雰囲気がヒートアップするのが分かるほどだったのは流石の存在感。期待を裏切らない闘魂溢れるハードエッジなテクノを激しくスピン。更には大名曲「Extra」までスピンすると会場のボルテージは最高潮に達した。徹頭徹尾テクノ爆弾をフロアにドロップし続ける姿に神々しささえ覚えました。

【Westbam】









22:00には久しぶりのWestbamが登場。ブリーピーなボディミュージックやエレクトロは健在で、陽気に会場を盛り上げる。スクリーンには今年のWIREガールが投影されてますが、彼女たちを見るのも一つの楽しみ。今年のWIREデザインをあしらったドレスを着ながら、ダンスに疲れた野郎どもを最高の笑顔で癒やすのは萩原みのりさん。16歳というから初回WIRE99の時は、まだよちよち歩きだったのね。

【Giorgio Moroder feat. Chris Cox】







今回の目玉の一つ。もはや偉人といっていいジョルジオ・モロダー大先生の登場です。今年になって来日公演を行い、ダフト・パンクともコラボレーションを行うなど、73歳とは思えない活動っぷり。この会場の中でも間違いなく最高齢アーティストです。アリーナ後方には踊り疲れた人達が休める席が設けられているんだけど、その中に明らかにおじいちゃんなお客さんがいたんだよね。ジョルジオ・モロダー目当てで来場していたんだろうか。確かに以下のセットリストを見れば、その年代がいるのも頷ける。

なにしろドナ・サマーの「I Feel Love」だよ!羽賀研二 リマールの「ネバーエンディングストーリー」だよ!「フラッシュダンス」だよ!ベルリンの「愛は吐息のように~トップガン・愛のテーマ~」だよ!最後はブロンディの「コール・ミー」だよ!僕を含めたベストヒットUSA世代は大歓喜し、失禁しながら踊り狂ったことだろう。更にイカすのがWIREガールがモロダー大先生仕様になっていること。ドナ・サマーの姿も映し出されて、ディスコティークな雰囲気が溢れでたフロアになっていました。

setlist :

From Here to Eternity : Giorgio Moroder
Utopia : Giorgio Moroder
Love to Love You Baby : Donna Summer
Neverending Story : Limahl
Hot Stuff : Donna Summer
E=MC² : Giorgio Moroder
Together in Electric Dreams : Giorgio Moroder and Philip Oakey
Flashdance : Irene Cara
Take My Breath Away : Berlin
I Feel Love : Donna Summer
Giorgio By Moroder : Daft Punk
Call Me : Blondie

【石野卓球】



オーガナイザーである石野卓球が登場したのが23:50。この頃、アリーナを埋める観客数はピークに達していたに違いない。相変わらずの安定感で、Westbamのプレイにも似ているファニーで陽気なテクノをスピンし続ける。僕が期待していたのはそこではなく、テレビブロス誌上の天久聖一vs石野卓球インタビューに載っていたあること。

卓球「そう、今年のWIREは万博スタイルでいこうと思ってる。会場にはさまざまなパビリオンが建てられ、その中央には巨大なシンボルがそびえ立つ」

天久「それは太陽の塔的な?」

卓球「いや、WIREのシンボルはふきの塔さ」

天久「ふきの塔?」

卓球「春になると地面を割って現れるふきのとう、その生命力にあやかって会場の中央には屋根を破った巨大なふきの塔が建てられる予定なんだ」


やはり石野卓球は裏切らない、夢は時間を裏切らない。ご覧のとおり、スクリーンには「ふきの塔」が映し出されている。去年と同様、ここに食いついた客は殆どいないと思われる。

【Hell】





ミュンヘンから登場する毎度の伊達男ヘル。この男にしか醸し出せないセクシーで耽美なテクノがWIRE女子の股間を直撃。いつのも地獄皇帝のようにニューウェーヴ的な香りはやや控えめになっており、暗黒感を漂わせたダークなテクノが中心にスピンされていた。

【Len Faki】





2:00からベルクハイン直系のLen Fakiが登場し、疲れきった観客の身体にムチを入れていく。これ以上ないほどのホラーで暗黒なアンダーグラウンドテクノで、真夜中の祝祭はピークを迎えようとしていた。

【Josh Wink】






3:00にはフィラデルフィアからのベテランJosh Winkが登場。この頃になると後方席には死体の山ができあがり、フロアには徐々に狂人が現れる。通路で踊りまくる奴、走りまくる奴、虚空を見つめ続ける奴…まさに会場はピークに達していた。

【田中フミヤ】



メインフロアのトリはSven Vathだったので、田中フミヤのプレイを聴くためにセカンドフロアへ移動。WIRE皆勤にも関わらず、ここ数年のプレイを聴くのはご無沙汰。オーガニックな曲を選びぬき、繋ぎ目が殆ど分からないほどシームレスにビルドアップ。相変わらず有機的な音をストイックに積み上げて、気がつけばオーディエンス皆がいつの間にか持っていかれるという始末。メインフロアでは確認できない、狭いセカンドフロアでしか確認できない田中の中の田中のストイシズム溢れるプレイ。一番最後に最高のプレイを堪能できて本当に良かった。

0 件のコメント:

コメントを投稿