2013年9月10日火曜日

ラ・ズンバ

以前「二郎界の中で最強・最恐・最凶の存在」と書いた「凛・のスた 大井町本店」。今では店名が「凛」となっているのが一抹の寂しさを感じさせる。いや、味そのものは変わっていないんだろうけど、「凛」は日本の二郎界を覇権しようと店舗数を着実に増やしているのだ。店舗が増えるほど牙を抜かれた獅子のように獰猛さを無くしていくのではないか?去勢された猫のようにおとなしくなってしまうんじゃないか?と、意味の分からぬ不安を感じてしまう。


そんな「凛・のスた 大井町本店」の隣にできた「ラ・ズンバ」を訪問しました。何を隠そう(いや隠さなくても分かるが)「凛」のオーナーが志を高くして、隣で始めた塩ラーメン専門店。かつて「凛」では限定メニューとして細麺の塩ラーメンを出していたそうです。かたや二郎インスパイア系、かたや塩ラーメンと全く違うジャンル。どのような塩ラーメンを食べさせてくれるのか興味津々ではありませんか。看板は相変わらず掲げられていません。

店に入ると、見た目が最高にワイルドな「凛」の店主がいる。客に最高の緊張感を与える風貌は健在だ。「腰かけてお待ちください」と言われてハッと気付いたが、どうやら「凛」と同じシステムのようだ。つまり、尋ねられるまで注文してはいけないということ。壁に描かれたメニューを見ると醤油ラーメンもあるようだ。しかも撮影は一声かけてから、というシステムも同じだ。ちなみに、僕が入店した時はゆらゆら帝国の「グレープフルーツちょうだい」が流れていた。


しばらくしてから注文を尋ねられ「塩ラーメン+煮玉子」をオーダー。目の前に丼が置かれて、スープや麺や具が投入されるシステムも同じ。しかも塩ラーメンなのに「にんにく入れますか?」と聞かれるが、そこは丁重にお断りする。

塩ラーメンに使われている具材は実にシンプル。ほろっほろに柔らかくて大振りのチャーシューと、こりこりした歯応えのメンマのみ。スープを啜れば、鶏ベース塩スープの中に、生姜の香りがきりっと立っている。上品な淡麗系とは異なる、脂分がやや高めで雑味のある男らしい味だ。ここは淡麗系を追求する人にしてみれば評価が分かれるところだろう。自家製らしい麺は極細ストレートで、固めに茹でられており、小麦の香ばしさを堪能することができる。二郎インスパイア系とは全く違うジャンルなれど、出汁のあたりに共通点を感じてしまう。それはやはり静かながらも熱き血潮がたぎっている味だ。寡黙で悪羅悪羅系な店主、実は「凛」を発展させながらも新しい挑戦を続ける漢であった。

住所:東京都品川区大井1-21-6
ラ・ズンバラーメン / 大井町駅下神明駅鮫洲駅) 
夜総合点★★★☆☆ 3.1 
昼総合点★★★☆☆ 3.1

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