2014年4月5日土曜日

Rewind The Film : Manic Street Preachers

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春です。若い頃は桜になぞ興味なかったんですが、年齢を重ねるにつれてその美しさや無常さに心惹かれます。歳くってくると寒さが身にこたえるので「早く冬が終わってほしい、春になってほしい」という願いが強くなる。そうやって春の訪れとともに咲き乱れる桜を見ると、冬が終わった喜びを噛みしめたくなるんです。桜も寒さを耐え忍んで、わずか2週間ばかり咲き誇り、また散っていく。そういう儚さや枯れの境地が分かるお年頃になったということでしょうか。

で、3年ぶりのマニックス新作(といっても、例によって半年近く前にリリースされている作品)も枯れの境地に達している。「映画を巻き戻して」というタイトル通り、極めて内省的なんだけど決して懐古主義的ではない。「Everything Must Go」(過去レビュー)や「This Is My Truth Tell Me Yours」(過去レビュー)のような仰々しさは全くない。アコースティック志向が強く、ディストーションの音は殆ど聴こえてこない。これまでの作品には見られない、シンプルで静謐で穏やかな音作りがなされているのだ。

どうやら幼少期の思い出や故郷への郷愁を歌い上げた歌詞内容らしく、「(I miss the)Tokyo skyline」といった彼らの第二の故郷だという東京についても歌い上げている。決して派手ではないんだけど、滋味深いメロディが心に染みてくる。気付いたら「As holy as the soil(that buries your skin)」という楽曲に「As beautiful as the spring in Japan(日本の春と同じぐらい美しい)」というフレーズがあった。やはり今の時期に一番染み入る作品なんだろうね。

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