2014年4月26日土曜日

Back & Forth : Foo Fighters

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2011年にリリースされ、日本でも劇場公開された Foo Fighters キャリア総括ドキュメンタリー。バンドメンバーや元メンバー、プロデューサー等の数多くの関係者による証言によって、バンドの歴史が明らかになっていきます。

フーファイが始まるきっかけは20年前の Nirvana 解散からなので、当然ながらカート・コバーンの死に言及するところからスタートする。デイヴはその喪失を埋めるために私的プロジェクトををスタートさせ、バンドとして継続させる決意をした。当時は彼のヒーロー的存在でもあるトム・ペティからバンドに誘われており、自分のバンドを始めるか、トム・ペティのバンドに加入するか悩んでいた事実が興味深い。

バンドが今のような大物になる過程で、度重なるメンバーチェンジが行われていく。それは仲違いという簡単なものではなく、バンドに必要な化学反応をどのように起こすかという難問の末だった、ということが数々の証言によって明らかになっていく。やがて名盤の誉れ高い2ndアルバム「The Colour and the Shape」(過去レビュー)によってビッグネームへの足がかりを得るが、レコーディングではドラマーを解雇せざるを得なかった苦渋の選択があったことが分かる。

徐々にバンドはビッグネームへの道を順調に歩き始めたように見えるが、最高傑作と言っていい「One By One」(過去レビュー)をリリースする前に解散の危機に陥る。ツアーによる疲弊、レコーディングの不調、デイヴの QOTSA への参加、それにともなう人間関係の悪化が原因だ。コーチェラ・フェスティバルでのステージが不調に終われば解散、とバンドは決意していたようだが、そこでは強靭なケミストリーを発揮してしまう。その後でリリースされたのが「One By One」だった、というのは実にドラマチックだ。

やがてバンドは2枚組大作の「In Your Honor」(過去レビュー)を発表、アコースティックツアーである「Skin And Bones」(過去レビュー)を敢行、次々と野心的な挑戦を続けていき、遂にはレジェンドとなるウェンブリー公演(過去レビュー)を成し遂げる(ここでも、男泣きするデイヴを驚いた顔で後ろから見つめる Taylor Hawkins が映される)。そして終盤では、現時点での最新作である「Wasting Light」(過去レビュー)がいかに原点に帰ったプロジェクトであったかを、レコーディング風景を通じて明らかにしていく。

エンドロールが終わった後、デイヴが自宅をモップがけし、「もっとマシなバンド名にすりゃよかった。最悪の名前だ。」というファニーなシーンで映像は終わる。実にフーファイらしいユーモラスで愛すべき終わり方だ。

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