2012年11月28日水曜日

昭和享年 : 戸川純


昭和享年 : 戸川純

戸川純がテイチク時代にリリースした作品が再発売されまして、その中の一つが「昭和享年」。戸川純の芸能生活10周年を記念して作られた企画ミニアルバムで、昭和歌謡曲のカバーが6曲収録されています。オリジナルが制作~リリースされたのが1989年(平成元年)、つまり昭和が終わった年でもあるわけです。日本史上激動の年代であった、享年64歳という昭和に対する鎮魂歌的作品でもあります。

今でこそ「昭和」と「平成」の境界線が明確に分かるものの、昭和終焉の当時、ここまで明確に昭和を意識した作品はなかったんじゃないでしょうか?戸川純本人が昭和懐メロを好んでいるということもありますが、彼女の先取り感覚というか嗅覚の鋭さには感服せざるを得ません。オリジナル収録曲は以下の通り。

星の流れに / 菊池章子
東京の花売娘 / 岡 晴夫
アカシアの雨がやむとき / 西田佐知子
バージンブルース / 野坂昭如
リボンの騎士 / テレビ主題歌
夜が明けて / 坂本スミ子

前半は上野耕路、後半は平沢進がプロデュースを手がけており、2者の違いが歴然としてて面白い。当然ながら僕はこれらの原曲をリアルタイムに聴いたことはないんですが、有名な懐メロの「東京の花売娘」や「リボンの騎士」あたりは耳にしたことがあるなぁ。

戸川純のイノセントな歌声と、かつての昭和が持っていたイノセントな雰囲気が絶妙にマッチしており、誰も真似することのできない世界観を作っちゃってます。純ちゃんの歌を聴くたびに胸がなんだか苦しくなっちゃうのは何故なんだろうね。

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