2016年9月3日土曜日

The Mountain Will Fall : DJ Shadow


The Mountain Will Fall : DJ Shadow


稀代の偏執的ヴァイナルジャンキーであり、レアグルーヴへの限りない愛情を表明し続け、アブストラクトヒップホップの概念を創り上げた男 DJ Shadow。サンプラーだけで制作したアルバム「Endtroducing...」(「世界で初めてのサンプリングのみで作られたアルバム」とギネスブック認定)から20年が経ちました。


あれから数々のアルバムをリリースしてきた中で、2006年の「The Outsider」ではハイフィーの大胆な導入により旧ファン層を驚かせたシャドウ。かつてのアブストラクトな要素が薄れていき、メインストリーム寄りになったシャドウはどこへ行くのか?というのが旧ファンの共通認識だったと思います。そして5年ぶりの新作で奴は帰ってきた、間違いなく!


どこから掘ってきたのか分からないドタドタしたドラムビートをサンプリングし、かつてのブレイクビーツな感覚が蘇っているじゃないですか。リードトラック「The Mountain Will Fall」のレトロフューチャートラックで鷲掴みされ、続く「Nobody Speak」では様々なフィールドのミュージシャンから熱い視線を浴びている Run The Jewels をフィーチャーし、マザファカな現代感覚への目配せも忘れちゃいない。シャドウの旗印であるメロウで哀愁漂うウワモノも全編に散りばめられ、なおかつマッシヴでファットな骨格が力強く支えまくる。


数年前、「未来的すぎる」という理由でプロモーターからクラブプレイを強制終了させられた出来事がありましたが、この時のDJプレイがホーリーシットに格好いい(リンクから聴けるので是非お試しあれ)。原点開始しながら、この時の経験を踏まえている最新型アブストラクトヒップホップを聴かずにはいられないよ。






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