2016年6月30日木曜日

Convenanza : Andrew Weatherall



問答無用の重鎮 Andrew Weatherall が初ソロ名義でリリースした「A Pox On The Pioneers」から約7年ぶり、続編として位置付けている「Convenanza」を今年1月にリリースしています。長いキャリアを誇りながらも、自分名義での作品を思い出したかのようにリリースする姿勢が実にユニークであり、既成の枠組みに囚われない活動が見事にパンキッシュです。

タイトルは Weatherall が昨年フランスの古城で主催した「Convenanza Festival」に因んでいるようで、「超越」を意味する儀式という造語らしい。「儀式」が夜に蠢くクラブという世界を意味しているのは明白で、ここで表現されている音は時代を「超越」した普遍的なもの。サイケデリックでダビーな響きを持ちながら、エレクトリックミュージックとは一線を画したB級的かつ場末感のある、どこにも属さないアンダーグラウンドミュージック。大量消費を目的としない、己に内在する確固たる世界観を表現したリアルな音。このような音楽を作る男は後にも先にも Weatherall だけだろう。この男がいる限り、真のクラブミュージックが死ぬことはないはずだ。

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