2015年8月8日土曜日

Trickfinger




John Frusciante の新しいプロジェクトがスタートしました。これまでの流れからするとエレクトロニクス志向は止まらないと思っていたんですが、止まらないどころか今回はなんとフルアシッドハウス。決して踊れる作品ではないんですが、その反面ヒプノティックとすら言えます。

これまでのソロキャリアは狂気のアシッドフォークから始まり、打ち込みを使用したロック、タガが外れた前衛的エレクトロニカ、ヒップホップと変遷してきましたが、とうとうアシッドハウスへと到達。今になってアシッドなのは何故なのか?しかも四つ打ちアシッドとは異なり、ビートがクレイジーに変化していく IDM 寄りエクスペリメンタルテクノ。肉体の呪縛から解放され、脳とマシンを直結させた真のブレインミュージックとも言えますが、抒情性が散りばめられていることにより John のアイデンティティが貫かれています。

RHCP へ復帰した99年から既にテクノやハウス等の電子音楽へ傾倒していたらしく、この作品が作られたのは8年前。丹念に電子音楽を聴きこみ、ルーツを探訪し、機材を徹底的に使い倒した果てでのアシッドハウス制作だった模様。突然エレクトロニクス化してファンを驚かせるのではなく、作品を徐々に電子化させてから本作をリリースするという戦略だったのか……と思いきや、どうやら本作をリリースする予定はなかったようで、アシッドハウスのレーベルを運営する友人からリリースを勧められたのだとか。確信できるのは、これは John Frusciante の到達点ではなく、一つの経過点に過ぎないということ。全ての呪縛から解放された自由な男の姿がここにあります。


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