2015年2月24日火曜日

Trick : Kele



UKロックの耽美な流れを受け継いだ、信頼に値するバンド Bloc Party。そのバンドの最重要人物にして、真のセクシャリティを表現しているのが Kele Okereke だ。そんな彼が4年ぶりにリリースした 2nd ソロアルバムが相当いい。まずは開き直りっぷり全開なジャケットがいい。このジャケットに惑わされがちなんだけど、元々はクラブミュージック志向を持っていたことにハタと気づく。そう言えば 1st ソロアルバムのレビューで「クラブミュージック完全体」と書いていたっけ。

まず一聴して驚いたんだけど、ダークネスな香りがてんこ盛り。違う CD かけてる?と勘繰ったほど、クラブミュージックへのフルコミットを果たしている。特にディープハウスやダブステップへの傾倒っぷりが半端なく、漆黒の闇から重たい音像を浮かび上がらせることに成功している。グラスゴーの女性シンガーである Yasmin を起用することにより、Kele の艶っぽいボーカルに華を添えているところも重要。聴き始めた当初は重たい雰囲気にのまれていたんだけど、Keleの作るメロディに仕込まれたメランコリーに救済される。バンドマンとしての出自ゆえにクラブミュージック愛好家から注目されることもないだろうし、メディアが大々的に取り上げることもないだろうし、派手なチャートアクションを見せることもないだろうこの作品。だからと言ってスルーするには勿体ないぐらいの仕上がりっぷりで、僕は全面的に支持します。



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