2015年2月6日金曜日

らうめん さぶ郎


マッカーサー通りという計画線で知られた、虎ノ門~新橋間に2014年開通した環状2号線(通称:新虎通り)。オリンピックを見据えて、シャンゼリゼ通りのようなオープンカフェが立ち並ぶ通りにしたいという行政の思惑があるようです。その通りが汐留に突入した辺りはイタリア街と呼ばれ、確かにイタリア風の建物が並んでいる。アメリカ(マッカーサー)なのか、フランス(シャンゼリゼ通り)なのか、イタリアなのか…何が何だかわからない場所に二郎インスパイア系「らうめん さぶ朗」があります。この謎めいた異邦地区にうってつけの存在ではありませんか。ちなみに町田にあるインスパイア系「郎郎郎(さぶろう)」(過去の記事)とは縁もゆかりもないようですが、「ラーメン大 五反田店」(過去の記事)の場所にも店を構えていたようです。


入り口付近にある食券機で「正油ラーメン 豚2枚」を注文しますが、味噌味や塩味といったレパートリーも揃えられている。着席してから無料トッピングをお願いしますが、通常の作法とはやや異なり、麺の固さや刻み玉ねぎ投入を指定できます。僕は「麺ふつう/脂多め/野菜多め/刻み玉ねぎなし」でお願いしました。二郎系と切っても切り離せないニンニクは、卓上クラッシャーでセルフ投入する仕組み。ちなみにこの汐留界隈は高層ビルが立ち並ぶビジネス街のため、昼時になるとサラリーマンで混み合うそうですが、僕は開店したてに入ったので難なく着席。


やがて周囲の高層ビルに勝るとも劣らないスカイスクレイパーな一杯が着丼。その屋根には真っ白な雪…ではなくアブラが降り積もっていた。「二郎を眠らせ、二郎の屋根に雪降り積む さぶ朗を眠らせ、さぶ朗の屋根にアブラ降り積む」と心の中でポエムを唱えながら、スープをアブラに振り掛ける。ただでさえスープに背脂が十分に溶け込んでいるんだが、そいつをアブラに振り掛けることで創出される二重効果により、背脂が持つ甘みが最大限に引き出される。その甘みが通常の甘辛さになっているカエシをマイルドなものに変えており、口当たりはなかなか良い。さらに攻撃度を高めるためにクラッシャー粉砕したニンニクを投入するが、仕事中の人は注意が必要だ。バラ肉が使われたブタも脂身が多く、十分煮込まれているのでほろりと柔らかい。惜しむらくは薄く切られているので豚ボリューム追求派には物足りなさを感じるところ。


適度に茹で上げられた重量級ヤサイ(キャベツも適度に入っている)を減らして天地返しするが、この時点で腹八分目になっていくのを感じる。ヤサイだけでなく麺もなかなかの物量で、いい具合に縮れている中太麺が心理的プレッシャーをかけてくる。つるつるした表面ながら、噛みしめるとごわっとしており、更に噛みしめるとしこしこした食感。目を閉じると地平線まで続く小麦畑を、爽やかな風が吹き抜けていくかのよう…ではない。勿論そんな余裕もなく、圧倒的なスピードで拡張される胃袋をなだめるのに必死だ。食うか食われるか、ぎりぎりのせめぎ合いでどうにか麺を完食することが出来た。ここまで膨満感に浸れるのは、どうやらアブラの量が並以上のレベルだからだろう。そういう意味では、背脂ちゃっちゃ系の支持層にも十分訴求できる味だ。

住所:東京都港区東新橋2-6-5
らうめん さぶ郎ラーメン / 汐留駅新橋駅御成門駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

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