2014年11月7日金曜日

Whorl : Simian Mobile Disco

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(ほぼ)生演奏の作品により EDM 全盛シーン一石を投じたのが Daft Punk の「Random Access Memories」(過去レビュー)だったんですが、Simian MobileDisco は電子音楽の枠内ながら、別のアプローチ法で EDM に異を唱えています。PC およびプラグインソフトウェアを一切使わず、特注のモジュラー・シンセサイザーとシーケンサー、ミキサーのみを使用し、しかも一発録りライヴ録音を実施。これにより画一的なダンスミュージック要素を排除し、実験的アプローチ溢れる電子音楽に進化を遂げています。

作品全体から漂ってくるのはかつてのジャーマンプログレッシヴロックの香りや、Warp 寄りのひんやりとしたエレクトロニカな雰囲気で、デビュー当時のニューエレクトロ風情は感じられない。ミニマルかつアナログな機材を駆使することで肉体性も生まれてきており、明らかに既存の電子音楽とは差別化を図っている。ここまで EDM が台頭してくると、何がポップミュージックで何がダンスミュージックなのか境目がなくなってくるが、その危機感を一番覚えているのは前述の Daft Punk であり、SMD なんでしょう。

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