2014年6月11日水曜日

Dots : Flare a.k.a. Ken Ishii

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DZ4X9D8/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00DZ4X9D8&linkCode=as2&tag=yokohamabeatj-22


己の好きなことを追求するのがアーティストとしての理想形であることはいうまでもない。ただしそれが全て飯のタネに繋がるわけでもなく、マスマーケットを意識した活動が必要なのも事実。当ブログだって当初は音楽のみを扱ったブログであったが、マスマーケットを意識して好きでもないラーメンを食べ続け、いつの間にかB級グルメブログと呼ばれるようになってしまったのだ(つーか、俺アーティストじゃなかったし)。

そんな中、多面性を持ったアーティスト活動を繰り広げ、デビュー20周年を通過したケン・イシイはリスペクトされてもされ過ぎることはないアーティストと言える。師でもあるデリック・メイから与えられた「食いぶちを稼ぐにはDJだ」という助言を実行し、DJ活動で世界中のクラウドを熱狂させ、世界トップレベルのDJへと上り詰める。また、複数の名義を使い分け、Flare 名義では自身のエクスペリメンタルな作家性を追求し続ける。

96年以来、17年ぶりに昨年リリースされた Flare 名義の新作も実に実験的で、どこまでも自由だ。まさしく96年作品「Grip」(過去レビュー)の延長線上にある作品で、デビューアルバム「Garden On The Palm」(過去レビュー)と同文脈で語られても違和感のないエレクトロニクス・ミュージック。前作にはとがった感性が満ち満ちているのに比べ、本作には創ることを楽しんでいるリラックスした雰囲気が漂っている。唯一無二のオリジナリティがふんだんに盛り込まれた、ケン・イシイならではの実験音楽だ。

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