2016年2月5日金曜日

エクス・マキナ - Ex_Machina -



Beck をフィーチャーした The Chemical Brothers の「Wide Open」PVに激しく感動したので、ダンサーの女の子を調べたところ、ソノヤ・ミズノという女性がヒット。モデルでありバレリーナでもある日英混血の彼女は映画への出演歴もある。それが2015年に公開された「エクス・マキナ」です(ソノヤ・ミズノが主演ではないので誤解なきよう)。

米タイム誌が「2015年の映画トップ10」の10位に挙げているほどの出来の良さらしいんですが、残念なことに2016年2月になった時点でも日本未公開。AIをモチーフとした低予算SF映画ということで、あらすじを知れば知るほど観たくなってくる。やむなくAmazonで5,000円ほどの大枚を叩いてBDを購入しました。結論から言えば「買って良かった、素晴らしい」。

「Ex Machina」とはラテン語で「機械仕掛けの」という意味ですが、士郎正宗の「Appleseed Ex Machina」とは何の関連もない。アクション的な要素は皆無ですが、スタイリッシュで抑制の効いた演出が、人工知能の怖さを最大に引き出しています。

世界最大の検索エンジン企業で働く主人公ケイレブ。社長ネイサンの自宅にご招待、という社内公募に当選し、人里離れた山奥の豪邸に1週間滞在することになる。そこでケイレブは秘密保持契約の締結を求められ、ネイサンが開発した美少女型 AI エヴァへのチューリングテストを依頼される。

チューリングテストとは、マシンが人工知能であるか否かを判断するためのテストで、実際にロシアのスーパーコンピュータが2014年に合格している(人間と間違われたのだ!)。

エヴァの知性は検索エンジンで収集されたビッグデータによって構成されており、問答や仕草は極めて人間的だ。カメラによる監視下で、テストの最中に何度か停電が起きる。監視されないタイミングをいいことにエヴァはケイレブを誘惑し、脱走をそそのかす…。

ここで提起されているのが、普遍的でありながら新しくもある「肉体を持たない意識体は人間なのか?」というテーマ。人工知能の反乱というモチーフは「2001年宇宙の旅」や「ブレードランナー」、「ターミネーター」からありますが、よもや現実の世界で起きつつあるのが恐ろしい。

ちなみに社長ネイサンを演じているのはオスカー・アイザック。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で反乱軍エースパイロットであるポー・ダメロンを演じた人です。


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