2014年1月22日水曜日

LISm : Ellen Allien


LISm : Ellen Allien

「踊れるWarp」を目指してレーベル BPitch Control を主宰している Ellen Allien 嬢。2013年3月にリリースした新作はこれまでのオリジナル作品とは一味違う作風になっていました。収録曲数は1曲のみですが、曲の長さは45分にも及びます。それは単調に続いていくミニマルではなく、非常に抽象的なサウンドトラック的作品といえます。

それもそのはず、元々この作品はパリのジョルジュ・ポンピドゥ国立美術文化センター(Centre national d'art et de culture Georges-Pompidou)で開催されたコンテンポラリー・ダンス「Dream Per Musica」のサウンドトラックとして、BPitch Control での盟友である Thomas Muller と制作されたもの。最終的には米国シアトルを拠点とする Bruno Pronsato も参加して、一つの作品として仕上げられました。Ellen Allien が持っている繊細な世界観を基に、即興的で実験的なアンビエントな音絵巻が自由に繰り広げられています。

四つ打ちのミニマルが登場するのは終盤のみで、個別に制作されたと思われるアブストラクトな音の断片が淡々と変容していきます。それはまるで、初夏の木漏れ日のように美しく儚げで、谷間に流れる清流のように静謐だ。穏やかな日の午後2時頃に聴きたい作品です。

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