2016年11月29日火曜日

For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder ? : The Pop Group



The Pop Group の新作がリリースされたので、80年にリリースされた不朽の名作誉れ高い本作を聴き返した。ちなみに僕が持っているのは2016年2月にリマスターリリースされたもので、それまでは永らく廃盤状態にあった作品です。オリジナルに収録された The Last Poets 参加トラック「One Out of Many」の権利関係で揉めていたらしいんですが、そのトラックを削除して「We Are All Prostitutes」が代わりに収録されています。元々は先行シングルとしてリリースされていた「We Are All Prostitutes」を収録することで、本来あるべき姿になったということですが、まあ細かいことは気にしないで欲しい。

デビューアルバムだった「最後の警告」がブリストルサウンドの原点を感じさせるダブ的作品だったのに対し、本作は不協和音によるアジテーションミュージックになっている。ファンクやフリージャズ、ノイズミュージックといった要素を注入したパンクなんですが、不条理に対する怒りや苛立ちがびしびしと伝わってくる。マーク・スチュワートのボーカルを聴いた当時の人は腰抜かしただろうなぁ、と思えるような絶叫と扇情にまみれています。メロディらしきものは在って無いようなもので、ジプシーの子供たちがキスをする象徴的なジャケットからは程遠い世界を作っています。これを聴くとピストルズですら甘く聴こえる、本気で戦っている音楽。

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