2013年5月13日月曜日

Trainspotting #2

大ヒットした「トレインスポッティング」OST(過去レビュー)を受けてリリースされた続編への考察。


Trainspotting #2

劇中で使われたにもかかわらず、正編サントラに収録しきれなかったトラック、カットされたシーンで使われたトラック、映画製作者にインスピレーションを与えたトラックを集めた、世にも珍しいサントラの続編。こいつがなかなか作品の世界観を表現しており興味深い。正編よりもクラブミュージック志向がやや強まっている。

まず原作者のアーヴィン・ウェルシュについて振り返ってみると、プライマル・スクリームのシングル「primal scream , irvine welsh and on-u sound present...the big man and the scream team meet the barmy army uptown」に朗読者として参加していることが地味に(しかも非常に地味に)知られている。このことから、ウェルシュはUK作家の中でもロック志向の強い、フーリガン志向の強い作家だということが分かる。

この続編サントラに収録されているトラックの中で、ゴールディの「Inner City Life」は劇中に使われていない。アーヴィン・ウェルシュが「登場人物たちが聴いていることだろう」と続編への収録を提案したとのこと。また、プライマル・スクリームの名曲「Come Together」は制作側が何とかして劇中で使おうとしたが、適切なシーンが見つからなかった。ジョイ・ディヴィジョンの「Atmosphere」はダニー・ボイル監督がマンチェスター生まれということで、常にジョイ・ディヴィジョンを映画で使いたがっていた。にも関わらず、これらはここに収録されても何ら違和感がない。つまり、原作、映画、音楽が三位一体だったからこそヒットしたんだろう。

一番注目したいのが、アンダーワールドの初期曲である「Dark & Long (Dark Train)」が劇中で使われていること。今でこそ彼らの定番曲として知られているが、仄暗いプログレッシヴハウスがメジャー映画で使われることなんて斬新な試みだった。これまで地下で蠢いていた音楽に光が当たった瞬間で、続く「Born Slippy(Nuxx)」でアンダーワールドは全く新しい高みへと到達したのだった。

Tracklist

01. Choose Life : PF Project featuring Ewan McGregor
02. The Passenger : Iggy Pop
03. Dark & Long (Dark Train) : Underworld
04. Carmen Suite No.2 : Georges Bizet
05. Statuesque : Sleeper
06. Golden Years : David Bowie
07. Think about the Way : Ice MC
08. A Final Hit : Leftfield
09. Temptation : Heaven 17
10. Nightclubbing (Baby Doc Remix) : Iggy Pop
11. Our Lips Are Sealed : Fun Boy Three
12. Come Together : Primal Scream
13. Atmosphere : Joy Division
14. Inner City Life : Goldie
15. Born Slippy(Nuxx) (Darren Price Mix) : Underworld

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